小学校の授業でどんぐり銀行活動についてお話をさせて頂きました。


私たちが取り組んでいる「どんぐり銀行活動」について、高松市内の小学校5年6年生32名にお話をさせて頂いて参りました。

どんぐり銀行活動は、単にドングリを預かる銀行だけでなく、預金をきっかけとして、自然に目をやり、ドングリの生える森へと人をいざない、自然に触れ、自然を学び、自然を愛し、自然を考え、自然を守る人を育てる事を本当の目的とした活動です。香川の水源地である高知県大川村にある当会が大川村より貸与されている”さめうら交流の森”を始め、香川の森づくりなども行っています。

(長文ですがぜひお読み下さい)

このクラスは、香川の自然や環境について学んでいる「森林グループ」の生徒さんたちと言う事で、森林整備体験などもされているとの事でしが、「どんぐり銀行」について知っている子どもは半分程度、実際に利用したことがある子どもは残念ながら誰もいませんでした。

授業では、どんぐり銀行活動の概略や、どんぐり銀行のはじまりと、当時の社会背景や里山の森林の状況、どんぐり銀行活動をきっかけとして広がった香川の森林保全活動などに加え、森の働きなどについても話をさせて頂きました。

香川独自の取り組みであるどんぐり銀行活動が始まったのは、1992年(平成4年)10月3日。森林保全普及啓発活動のイベントとして始まり、翌年から香川県みんなの森づくり推進事業として正式な香川県の事業となり現在に至ります。


どんぐり銀行が始まった当時は、恐らく平成19年から平成21年生まれのクラスの子どもたちのご両親が小学生の頃だと思います。

当時の社会背景として、
①利用目的の無くなった里山の管理不足による荒廃、
②香川県の里山の大部分を占めていたマツへの松くい虫被害の拡大、
③利用目的や利用価値の無くなった里山の乱開発
など森林に纏わる様々な問題が起こり、何らかの手立てを行う必要があったそうです。

また、香川の水源である早明浦ダムが完成以来初めて貯水量が0になった1994年(平成6年)の「平成の大渇水」による長時間断水なども大きな社会問題となりました。

そのような社会背景の中、ドングリをお金に見立てて扱うと言う斬新さとその活動が広く受け入れられ、どんぐり銀行活動は全国的な話題となり、一気に広がり、浸透して行ったそうです。

それから27年、当時の社会背景とはまた違った様々な問題が、香川の森林には起きています。

森の水源涵養機能(水を貯える働き)や土砂流出防止機能(土が流れ出るのを防ぐ働き)、地球温暖化防止機能(二酸化炭素の吸収)や、生物多様性保全機能(生き物を育む働き)など、森林の多面的機能を最大限に活用する為には、人が森に手を加え、活用し続ける事が必要です。

少し難しい内容もありましたが、さすが森林グループ、森の多面的機能についても既に理解されており、みんなメモを取りながら真剣に聞いてくれました。

こちらの小学校では、生徒さんに協力して頂き、11月にどんぐり銀行の臨時預金受付窓口を開設させて頂く予定です。

どんぐり銀行活動は、これからの時代ますます重要になって来ると思われます。私たちどんぐりネットワークは今後もこの活動を通し、様々な社会問題に取り組んで行きたいと考えております。

私たちのどんぐり銀行活動については、現在開催中の本寄贈のためのクラウドファンディング「どんなプロジェクト?」の「私たちについて」に詳しく書かせて頂いておりますので、ぜひそちらもご参照下さい。