移植ゴテとノコギリガマが一番の武器(4月15日大地の再生実践コース第1回スタート)


4月15日(土)に、月1回の全12回シリーズ「大地の再生実践コース」の第1回がスタート。講師に「囲炉裏暖炉のある家づくり」「大地の再生実践マニュアル」著者である大内正伸氏をお招きします。大内氏は以前、ドングリランドと関わりがあったのですが、それを知らなかった職員が講師のお願いに行った所から、今回の実践コースは実現しました。本日の参加者は、お子様3名を含む17名。雨天の午前中は座学、雨が止んだ午後はフィールドに出て実習を行いました。



・講師:イラストレーター、著作家 大内正伸氏
・主催:NPO法人どんぐりネットワーク
・開催場所:ドングリランド

■自分達が使っている水が、どこから来てどこへ出ていくか?を考える



講座を開設の経緯を職員が紹介した後は、参加者全員が自己紹介。「主人が三豊で農家をしている」「親戚が高知で山を持っている」「子供が昆虫好き」「映画“杜人”を見たがよく分からなかった」自然との関わり方は、参加者によって様々。しかし、「どう付き合えばよいか?」「どう手入れすればよいか?」が分からない不安/学びたいという期待は、参加者共通のようです。職員と一緒に学んでいきましょう!!
続いて地図(マクロの視点)でドングリランド周辺の山・森・川・ため池を見ていきます。「降った雨や沢は春日川に流れていく」「隣に藤尾神社の鎮守の森がある」近隣エリアの話に始まり、「杉・檜が少なくドングリの木」「花崗岩の崩れやすい土壌」香川県の特徴、「ヨーロッパ諸国の1年分の雨が1日で」「海と川を行き来する生物が多い」日本の自然の特徴まで、楽しい話は尽きません。いつの間にか、外の雨音が小さくなってきました。

■刈り過ぎないことで色々な植物や昆虫が。やり過ぎはよくない



午後からはフィールドを使った実習編がスタート。全員移植ゴテとノコギリガマを手にしたものの、何から始めればいいのか???参加者の表情は???そこで、ビジターセンターの近くで、風の草刈りからスタート。大内氏は、ヒュッヒュッと力み無く草を刈りながら、残すように刈る箇所/地際から刈る箇所を解説していきます。「U字構のキワなど、水が入り込む箇所は地際から刈って」。参加者も、ノコギリガマを手に草刈りが始まりました。



「ここはイノシシがほじって、石が崩れたのかな」大内氏は沢に下りていき、落葉を沢から上げ、周辺の草を刈り、石を動かしていきます。少しずつ一緒に手を動かす参加者が増えてきました。(まだ、半分以上の参加者は、話を聞く側でした)

■人間本位だと真っ直ぐと直角ばかり。曖昧な箇所があってもいい

「水が集まる箇所は、点穴や溝を掘って、水が流れるように」「水路や沢に向かう箇所は、水や風の出口。流れるよう、下草を刈ります」子供の広場では、沢や水路に水が流れるよう、点穴を開ける場所、溝をキレイにする場所、下草を刈る場所を解説していきます。段々、手を動かす人が増えていきました。そしてビオトープ(トンボ池)へ移動。トンボ池の近くで、青灰色の臭い泥がたまっている箇所を発見。「ヘドロがたまった臭い箇所は、移植ゴテで水が流れるようにすると、ガスが抜けていきます」移植ゴテで掘ると水がジワリ。溝を遊歩道まで掘っていくと、チョロチョロがサラサラへ、少しずつ水が流れ始めました。



「そこ枝と石を置いて、流れを蛇行させましょう」トンボ池の上流では、全員が沢に入り、ノコギリガマでツルを切り、移植ゴテで流れを作り、沢に手を突っ込んで石を動かしていました。小さな流れではありますが、トンボ池に濁った水が流れ始めました。(全員、清々しい笑顔)

■沢を掃除すると水量が増えて、木が元気になる

奥歩道へ移動。「ドングリが根を生やして、この土壌に定着したはずなのに」根がむき出しのドングリの木を見ながら、大内氏は残念そうに話します。途中、全員で奥歩道から外れて沢に下りてきました。大内氏が移植ゴテやノコギリガマを使い始めると、まわりで参加者全員が手を動かし始めました。すると、沢の近く水たまりが。。。「ヌタ場やね」「イノシシのお風呂やね」そう、参加者もヌタ場は知っています。すると大内氏が、「土の匂いをかいてごらん?」



移植ゴテですくってみると「く、くさっ!!」ドロッとした土は強烈な匂い。排水が悪く、酸素が欠乏した青灰色のグライ土壌。「ドブ臭いのは、ガスがたまっている証拠。いい環境ではないので、流れを作りましょう」移植ゴテを使って、ヌタ場の上流・下流に溝を作り、沢へとつないでいきます。移植ゴテを使って流れを作る作業が、ヌタ場でも活用できるとは!?

■木を生やす/元気にするには、落葉が留まる素地を作る



斜面が崩れて土と木の根がむき出しになり、足元の遊歩道が崩れている場所に到着。「木が土や石を抱えて元気になり、斜面の崩れを防ぐようになるにはどうすればいいのか?」参加者の切実な疑問です。大内氏は、落葉が留まり腐葉土となって、植物が生えてくれば木が生える(元気になる)素地になること、小さな点穴による通気と、落葉が留まる杭打ちについて解説してくれました。(今日は第1回。作業するには時間も材料も足りませんね)その後、二つダム(砂防ダム)にいき、水(空気)の流れを作る作業をしたところでタイムアップ。ビジターセンターに戻り、道具を洗って、第1回の実践コースはあっという間に終了しました。

■皆も火(薪)を操れるようになってほしい

参加者からは「森が荒れていることが実際に歩いて分かった」「草刈りが面倒でなくなりそう」「水や風の通り道を考えたことがなかった」「映画“杜人”が身近に見えてきた」などの声が。大内氏から、「剪定した枝や枯枝を薪に使うことは、森の中に空間を作ることに繋がる」「細い薪でも、大釜のご飯を炊ける」というお話が。そこで、次回の実践コースから、火を起こしてお昼にご飯と汁物を作ることになりました。

次回5月の実践コースは、5月28日(日)9時半~16時。参加者は「洗ったお米※」「刻んだ野菜」「お茶碗×2」「お箸」を持参ください。5月から参加したい方、1回だけ参加してみたい方、ドングリランドに電話するか、ホームページ>里山を利用しよう>イベント申込から申し込みください!!
※ドングリランドは上水道がありません。そこで、自分で食べる分のお米(例:1合)を、洗った状態でお持ちください。
以上