広葉樹を伐(き)る!(1月28日(日)広葉樹林整備学習講座)


 香川県の森林は、針葉樹(杉や檜)より、ドングリの木をはじめとした広葉樹が多いのが特徴です。広葉樹の特徴は?今里山の広葉樹に何が起きているの?広葉樹を管理(伐採)する際のポイントは?

1月28日(日)ドングリランドにて、広葉樹林を知るための学習講座を開催しました。

■広葉樹林も高齢化社会に突入!?

 針葉樹(杉や檜)は垂直にまっすぐ成長します。そのため、建材や家具に加工するのに扱いやすく、日本全国に植林されています。一方で、広葉樹は「太い枝が横に張る」→「重心が偏る」→「幹が裂けやすい」。広葉樹の代表はドングリの木ですが、ドングリが落ちてくる嬉しい楽しい木である一方で、管理(伐採)が難しい木でもあるのです。



写真:広葉樹の特徴を紹介する香川県みどり整備課鴨川様

 「香川県の広葉樹は30歳~50歳と大きな木が多いです。」
これは、30年前の松枯れの後にドングリの木が増えたこと、1960年代以降の燃料革命や外国産木材輸入の増加に伴い、資源生産地としての広葉樹林(里山)の利用価値が薄れる中で、里山の後継者不足、人々が木を使わなくなったこと、などの様々な要因で使われず残された広葉樹は、30年~50年生の木材として利用可能な立派な木に育っています。

香川県みどり整備課鴨川様のお話は続きます。
今、里山で起こっている問題は、他にもあります。この「大きなドングリの木」にナラ枯れの被害が広まっていて、せっかく育った木が使われることなく枯れてしまっているのです。これは日本全国の広葉樹林で起きていることでもあります。


鴨川様のお話は、「広葉樹を伐採する際の注意点」へと続きます。

■広葉樹(ドングリの木)を伐(き)る!

 「広葉樹伐採の注意点」を頭に入れながら、ドングリランドの森林に移動します。全員ヘルメットをかぶり、「広葉樹の伐採(実演)」を見学しました。



 「受け口は時間を掛けて作ってください」東部森林組合稲垣様は、解説を交えながらも、チェンソーを何度も止めて、丁寧に確認します。10メートル以上あるアベマキに、チェンソーが入る大きな音が続いた後、チルホール(手動ウインチ)でロープを巻き上げると、ミシミシという音とともに木が傾き、ドスーンとクヌギの木が見事に倒れていきました。今回の講習会は、伐採経験者も初心者の方も参加されたのですが、見事な切り口を見て、参加者の皆様は感心しきりです。(掛かり木防止のため、前日の雪が降る中、周辺の伐採や枝落としをしていただきました。本当にありがとうございました)

※木が倒れる様子は動画に撮ってあります。ご興味のある方は、ドングリランドにおこしいただき、職員にお声掛けください!!



写真:上空で「大きな横枝」を切り落とす

 東部森林組合の方が、スルスルと木を登っていきます。2本目のドングリの木では、「大きな横に張った枝」を落とす作業を見学しました。晴天の青空+クヌギの木の上+人+チェンソーの音+ドスーン(枝落ちる)。いやはや、「映えるなぁ」「スパイダーマンやぁ」とただただ圧巻です。
「明日、こんな木を切るんやけど・・・」
「あのドングリの木を伐採するとしたら・・・」
 ドングリの切株を囲んで、東部林業事務所の方と参加者の質疑応答は、尽きることはありません。(「広葉樹林管理学習講座」は午前中で終了。東備森林組合の皆様には、午後も引き続き、約2メートルの玉切りをお願いしました。寒い中、誠にありがとうございました!!)

■伐採したクヌギは何歳?


 クヌギの木を切り落とした「上の箇所」「下の箇所」は、スライスしてドングリランドに持ち帰りました。直径50センチ+厚さ15センチのドングリの木は無茶苦茶重い!(12月の「焚火遊び」で、ドングリの木は、密度が高いため重いと教わったのですが、こんなに重いは・・・)さてさて、今回伐採したクヌギの木は、何歳でしょうか?ドングリランドビジターセンターにお越しの際には、クヌギの輪切りを見て、年輪を数えて下さいね。
 「広葉樹林整備学習講座」ではドングリの木2本を伐採(切る)しました。今後、ドングリランドでは「木材や竹材の循環利用を体現できる場所」を目指していきます。今回は「切る」を行いましたが、今後、「増やす」「使う」を学び&体験できる活動を企画していきます。職員も、皆さんと学んでいきます。次回は、「ドングリの木を引っ張って斜面をおろす(搬出)」を計画中です(4月にイベントにしたい!!でも、2メートルで300キロ以上あるんです)。具体的に決まったら、ホームページやSNSで告知するので、お楽しみに!!!

※1月22日(日)に開催した「ナラ枯れ学習講座」の模様は、コチラをご覧ください!

以上